美容皮膚科やクリニックの施術の中でも、人気の高い治療法である「ピーリング」。
手軽に受けられることから、一度は受けたことがあるという方もいることでしょう。
しかし、ピーリングの口コミの中には「効果がなかった」「セルフケアと何が違うの?」「ニキビや毛穴に本当に効果があるの?」といった声も。
そこでこの記事では、ケミカルピーリングをはじめとした皮膚科で受けられるピーリングの種類や選び方、セルフケアとの違いについてご紹介します。
ピーリングってどんな施術?
ピーリングとは、薬剤を使用して肌のトラブルや荒れを改善する美容施術です。
薬剤の作用によって、皮膚の角質層から表皮上層部を効果的に剥がし、肌のターンオーバーを促進・正常化します。
肌のターンオーバーとは、肌の細胞が一定期間で生まれ変わる仕組みのこと。
すこやかな肌であれば約28日でターンオーバーが行われるのですが、加齢や誤ったスキンケア、紫外線や乾燥などの外部刺激によって乱れることが多くあります。
すると、本来剥がれ落ちるはずだった古い角質が肌に留まり、肌トラブルにつながってしまうのです。
つまり、定期的にターンオーバーを促進・正常化することがすこやかな肌を保つために大切なことのひとつ。
そのために、ピーリングは適した施術であるといえます。
ピーリングに効果を感じられなかった人も…!?
ピーリングの口コミを見ていると「クリニックでピーリングを受けたのに効果を感じられなかった」といった内容が見受けられることもあります。
どんな施術にも向き不向きがあるだけでなく、効果の出方には個人差があるため、こうした口コミはどうしても出てきてしまうもの。
クリニックや医師との相性が合わなかった可能性も考えられるでしょう。
また、ピーリングの効果を満足に感じられなかった方の中には、自分の肌に合う種類のピーリングを選べていない可能性も。
実はピーリングにはたくさんの種類があり、肌質や肌悩みに合わせて選ぶことがとても大切なのです。
ピーリングの種類と選び方
「ピーリング」と一言で言っても、種類はさまざま。
効果のある肌トラブルやダウンタイムの有無、肌への刺激の強さなど、ピーリングの種類によって特徴が異なります。
そこでここからは、ピーリングの種類と選び方についてご紹介していきましょう。
ケミカルピーリング
皮膚科で行われるピーリング施術の中でもっとも代表的といえるのが「ケミカルピーリング」です。
ケミカルピーリングとは、酸性の薬剤を肌に塗り、薬剤の作用によって古い角質を取り除くというもの。
角質層という浅い層に働きかけるピーリングで、ニキビやニキビ跡、毛穴の黒ずみ、くすみなどの改善が期待できます。
ケミカルピーリングは、薬剤によって主に3つの種類に分けられます。
グリコール酸ピーリング
フルーツ酸の一種である「グリコール酸」という薬剤を使用するケミカルピーリングのこと。
ケミカルピーリングの中では、もっとも多く使用されている薬剤です。
分子が小さく、肌への浸透率が高いのが特徴的。
ニキビへの治療だけでなく、コラーゲンやエラスチンの生成を促進してくれることから、お肌のハリや弾力アップにも効果が期待できます。
推奨頻度は2週間に1回程度とされているため、こまめにクリニックに足を運べる方におすすめです。
サリチル酸マクロゴールピーリング
角栓を溶かして除去する効果のあるサリチル酸と、サリチル酸が皮膚の深くまで浸透するのを防ぐマクロゴールを使用したピーリングです。
マクロゴールの作用によって酸が肌の浅い層で留まるため、術後の赤みや色素沈着、皮向けなどがあまり見られず、敏感肌の方でも安心して施術を受けられます。
また、施術頻度も1ヶ月に1回と、グリコール酸ピーリングに比べて通いやすいのも特徴のひとつ。
忙しい方でも比較的受けていただきやすいことでしょう。
当院ではサリチル酸マグロコールを使ったピーリングを採用しています!
ラクトピーリング(乳酸ピーリング)
天然乳酸(ラクト)を使用したピーリング治療です。
ほかのケミカルピーリングに比べて美白効果が高く、シミやくすみをはじめ、肝斑にも効果が期待できます。
分子のサイズが大きく、皮膚の浅い層で作用するため、肌への負担があまりないのも特徴のひとつです。
コラーゲンピール(マッサージピール)
コラーゲンピールとは、イタリアで生まれ、日本も含めて各国で特許を取得している「PRX-T33」という薬剤を使った施術です。
マッサージしながら薬剤をなじませることから、マッサージピールと呼ばれることもあります。
PRX-T33は、TCA(トリクロロ酢酸)、過酸化水素(H202)、コウジ酸という薬剤が含まれており、肌の奥にある真皮層に働きかけ、肌の内側からコラーゲンの生成を促して、ふっくらとしたハリ・弾力をもたらします。
施術の所要時間は10〜15分程度。
痛みやダウンタイムもほとんどなく、すぐにメイクもできることから、忙しい方でも気軽に受けられます。
ケミカルピーリングと違い、角質をはがすのではなく薬剤を浸透させる施術であるため、より肌にやさしい治療を好まれる方にもおすすめです。
リバースピール
コラーゲンピールに、より肝斑に効果的な薬剤を追加したもの。
通常のピーリングと異なり、肌の奥にある真皮から表面にある表皮に向かって治療をすることから、逆転するピーリングという意味でリバースピールと呼ばれています。
マッサージピールの効果に加え、肝斑に関してもしっかり治療していきたい方はリバースピールを検討してみるといいでしょう。
ミラノリピール
トリクロロ酢酸(TCA)を高い濃度で配合した薬剤を使用するピーリング施術です。
トリクロロ酢酸をはじめとした5種の酸に加え、アミノ酸やビタミンも含まれており、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。
保湿成分もあわせて含まれているため、肌のハリ・ツヤ感をアップすることも可能です。
顔だけでなく、首やデコルテ、腕・足などさまざまなパーツに使用されます。
トリクロロ酢酸はコラーゲンピールにも含まれていますが、ミラノリピールのほうがより高濃度であり、皮向けのリスクが少し高まります。
施術後は3~4日目から薄皮が剥がれはじめ、7~10日程度で落ち着くと考えておくといいでしょう。
レーザーピーリング
レーザーの照射によって古い角質を除去する施術です。
レーザーによる熱で肌のターンオーバーが促進されるため、ニキビなどの肌トラブルに効果を発揮します。
毛穴に詰まった皮脂や汚れがレーザーによって取り除かれることで、毛穴の引き締めや、黒ずみの改善も期待できます。
強い痛みはありませんが、人によってはレーザーの熱感やパチンとした痛みを感じる方もいるかもしれません。
ブラックピール(カーボンピール)
イタリア製の「Vカーボンシステム」という薬剤を使用したピーリングです。
植物性の活性炭を使用していることから、薬剤が黒く、ブラックピール(またはカーボンピール)と呼ばれています。
薬剤に含まれている植物性活性炭や乳酸が肌のターンオーバーを促進し、毛穴やたるみ、小じわの改善など、エイジングケアの効果を発揮します。
肌への刺激が少なく、ダウンタイムもほとんどないため、肌にやさしい施術を受けたい方におすすめです。
ハイドロピーリング(ハイドロフェイシャル)
ハイドロとは「水流」のこと。水流の力を使って古い角質や汚れを除去し、吸引することで肌をきれいにします。
汚れを除去するだけでなく、肌悩みに合わせた美容成分を毛穴に直接導入できるため、肌への刺激を減らしながら肌トラブルの改善にアプローチできます。
痛みや肌へのダメージが少なく、ダウンタイムもほとんどないため、手軽に受けられる施術です。
ピーリングはセルフケアも可能!?
グリコール酸などを使った自宅用のピーリング化粧品も販売されていることから、セルフケアでピーリングを行う方も少なくありません。
そのため、クリニックでの施術をしなくてもいいのでは?と思っている方もいることでしょう。
市販のピーリングアイテムは濃度が低く、低刺激なものがほとんど。
その分効果もマイルドであるため、毛穴に汚れを溜めこまないための日常的なケアとしての使用がおすすめです。
一方クリニックで扱うピーリング剤は、市販のものよりも高濃度なものであり、より即効性を感じていただけるはず。
ただ毛穴の汚れを除去するだけでなく、ニキビやニキビ跡、シミ、肝斑などの根本的な治療としての提案が可能です。
自宅用に高濃度のピーリング剤が販売されていることもありますが、使用方法を誤ると肌荒れや炎症の原因となることもあります。
使用には十分注意してください。
皮膚科でのピーリングで肌悩みを解決!
ピーリングは、1回の治療で肌触りの違いを実感いただけることも多くあります。
さらに続けて何度か施術を行うことにより、肌に現れるくすみ、ニキビ、にきび跡、小じわ、肌の張り、毛穴の開きなど、肌悩みの改善をしっかりと実感いただける治療です。
アーモンドクリニックでは、サリチル酸マクロゴールを使った「ケミカルピーリング」と、PRX-T33を使用した「コラーゲンピール」を取り扱っています。
どちらを選んでいいかわからないという方は、医師が肌状態を見ながらご提案させていただきますので、まずはご相談くださいませ。