ボトックス注射・ボツリヌストキシン注射ってなに?安全性や効果について解説

    目次

    ボトックス注射とは

    ボトックス注射とは

    ボトックス注射とは、ボツリヌス菌という細菌が作り出すボツリヌストキシンというたんぱく質で作られた薬を用いて行う注射治療の事です。

    ボツリヌストキシンは、神経と筋肉の間の伝達物質であるアセチルコリンという物質の放出を阻害し、筋肉の収縮を抑制したり汗の分泌などを抑えることができます。

    ボトックス注射の用途と効果

    ボトックス注射は筋肉の収縮が強すぎることで起こってしまうような病気に対しての保険治療として使われる事もありますが、

    美容領域においては下記のような様々な用途に使用されます。

    • 額・眉間・目尻・目の下・鼻・顎などの表情シワの改善・予防
    • エラの筋肉(咬筋)に打つことで歯ぎしりや食いしばりの改善・小顔効果
    • ふくらはぎの筋肉のボリュームを小さくし美脚効果
    • 肩に打つことで肩こりや頭痛の改善・なで肩を解消し首を長く見せる効果
    • 多汗症やワキガ治療

    このようにボトックス注射は美容領域において様々な効果をもたらしてくれますが、注射を打つ場所とその量と深さを間違えると効果を出したい筋肉以外に作用してしまい十分な効果を得られ無いことがあります。

    そのため十分に解剖学を熟知したドクターに施術してもらう必要があり、事前によくカウンセリングをおこなった上で治療を行わなければいけません。

    ボトックスの種類

    アメリカ製のボトックス製剤

    ボトックス製剤にはいくつか種類がありますが、日本の厚生労働省が唯一認可しており、日本人に対する安全性・有効性が検証されているのはアメリカ・アラガン社の「ボトックスビスタ」のみです。

    アラガン社ボトックスビスタ

    韓国製のボトックス製剤

    その他にも韓国製のボトックスで有名なものには「NABOTA」「ボツラックス」「リジェノックス」などがあります。

    韓国製のボトックス製剤はアメリカ製アラガン社のボトックスビスタのジェネリック医薬品にあたる製剤で比較的新しい薬剤です。

    韓国製ボトックス「NABOTA」

    アメリカ製と韓国製ボトックス製剤の違いと選択

    薬剤による大きな効果の差はないと言われていますが、アラガン社製「ボトックスビスタ」は昔からある薬で唯一国の認可もおりているという安心・安全性という面において価格も高いととらえてよいでしょう。

    当院ではアメリカアラガン社製の「ボトックスビスタ」と、韓国製ボトックスの中で唯一韓国食品医薬品安全庁(KFDA)とアメリカ食品医薬品局(FDA)両方の認可を取得している「NABOTA」の2種類を採用しています。

    ブランド力があり安心安全な「ボトックスビスタ」を用いるのもよいですし、効果が大きく変わらないのであれば価格面を抑え韓国製ボトックスを打つのもよいと思います。

    ボトックス注射の効果持続期間

    ボトックス注射の表情シワの抑制効果は注入後約3日程度から出始め、1.2週間後には完成していることが多いです。

    エラの筋肉(咬筋)や肩こり、ふくらはぎの筋肉などは筋肉量が多いため効果の実感にももう少し時間がかかります。

    持続期間は3-4か月程度で、持続効果が長い方だと6か月効果が持つ方もいます。

    永久的に効果が続くことはないので3-6か月に一度は定期的に打たれることをおすすめしています

    ボトックス注射のリスク/副作用

    ボトックス注射にはリスクがいくつかあります。

    内出血

    まずは注射なので内出血が出る場合があります。出た場合は基本的に1週間から10日程でよくなることが多いです。

    アレルギー反応

    また、まれにアレルギー反応を起こす方がいます。ボトックスは他の薬剤よりもアレルギー反応を起こしにくく、発症しても重症化するリスクはほとんどないといわれていますが、

    何かしらのアレルギーを持っている方や不安な方は必ず施術を受ける前に医師と相談しましょう。

    目的とする筋肉以外に作用

    他のリスクとしては、ボトックスが目的とする場所以外に効いてしまった場合に表情が不自然になったり、頭痛を起こしたり、仕上がりが左右非対称になったりすることがあります。

    その場合は適宜医師と相談し治療方針を検討していく事をおすすめします。

    効きが弱くなってくる

    また、繰り返し打つうちに体がボトックスに対して抗体を産生して効きが悪くなることがあります。その場合にはしばらく期間を空けたり、製剤を変更することで効果が出てくることがあります。

    他にも打つ筋肉の場所ごとに特有のリスクがあるのでそれぞれ打つ場所毎にチェックされることをお勧めします。

    次回からはそれぞれの場所毎にボトックス注射の効果、副作用について説明していきたいと思います。

    この記事の監修者

    アーモンドクリニック技術統括医

    Kenta Umeki

    梅木 健太
    まるで生まれつきのような自然でナチュラルな仕上がり。
    整形感を出しません。

    資格
    美容外科学会員
    内科学会員
    産業医
    日本救急医学会ICLSプロバイダー
    アメリカ心臓病学会BLSプロバイダー
    アラガン社ヒアルロン酸認定医
    アラガン社ボトックス認定医
    テストステロン治療認定医
    厚労省指定オンライン診療研修

    >>詳細のプロフィールはこちら

    美容医療のプロ
    目次