ボトックス注射とは、ボツリヌストキシンというたんぱく質を用いて、表情じわや小顔などの美容効果を得る治療法です。
ボツリヌストキシンは、神経と筋肉の間の伝達物質を阻害することで、筋肉の動きを抑えます。
これにより、表情じわが目立たなくなったり、筋肉の量が減ったりします。今回は、ボトックス注射の効果や持続期間、注意点などについて解説します。
ボトックス注射の効果は?

ボトックス注射は、主に以下のような効果が期待できます。
表情じわの改善
– 笑った時や驚いた時など、表情を作った際に出てくるシワのことを表情じわと言います。眉間や目尻、額などにできる表情じわは、年齢とともに深くなっていきます。ボトックス注射は、これらの部位に注射することで、筋肉の動きを抑えてしわを目立たなくします。人によっては表情が固くなるように感じることもありますが、量や打ち方を調節することでそのリスクも下げられます。
小顔効果
– あごの筋肉は、噛む力やストレスなどによって太くなりやすいです。ボトックス注射は、これらの部位に注射することで、筋肉の量を減らして小顔効果を得ることができます。顔の輪郭がすっきりとしてシャープな印象になります。また、歯ぎしりや食いしばり・顎関節症・緊張型頭痛の治療効果もあります。
多汗症の改善
– 脇汗や手汗を多くかいてしまう多汗症という症状があります。ボトックスは汗の元となる汗腺の働きをブロックする作用があるので、汗が多い部位に注射することで汗の分泌量を抑えたり、汗が元となる匂いを抑えることができます。
肩こりの改善
– 肩こりの原因は、主に筋肉が萎縮して強張っていることです。そのため、ボトックスを肩に注射することで、筋肉の張りを解消し、肩こりをやわらげる効果が期待できます。肩の筋肉の張りが抑えられることにより、首が長く見える効果もあるため、結婚式前にドレス姿を綺麗に見せるために良く行われます。
ボトックス注射の効果の持続期間は?

ボトックス注射の効果は、個人差や注射量によって異なりますが、一般的には3~6ヶ月程度持続します。
効果が切れると、元の筋肉の動きや表情が戻ります。効果を維持するためには、定期的に注射を受ける必要があります。
定期的に繰り返し打つことでより効果が高くなることもあります。
ただし、頻繁に注射を受けすぎると、筋肉が萎縮して表情が表情が乏しく見えてしまったり、ボツリヌストキシンに対して免疫ができたりするリスクもあります。そのため、医師の指示に従って適切な間隔をあけることが大切です。
ボトックス注射の注意点は?

ボトックス注射は、比較的安全な治療法ですが、以下のような注意点があります。
副作用の可能性
– ボトックス注射は、注射部位に腫れや痛み、内出血などが起こることがあります。これらは通常数日以内に治まります。稀に他の副作用が起こることもあります。例えば、眼瞼下垂、不自然な表情、力が入りづらいなどです。これらは注射量や技術によって影響されるため、経験豊富な医師に相談することが重要です。
注射後のケア
– ボトックス注射後は、以下のようなケアを行うことが必要です。
– 注射部位を清潔に保つ
– 注射部位を強く触ったりこすったりしない
– 注射部位が痛む・腫れるようなら冷やす
– 注射後1週間はサウナやホットヨガなどの熱い環境は控える
– 注射後24時間は運動や入浴・飲酒などを控える
安全な製剤を選ぶ
– 実は「ボトックス」とは、A型ボツリヌストキシン製剤の一種で、米国アラガン社の製品名なのです。他にも、ゼオミンやナボタ、ボツラックスなどのA型ボツリヌストキシン製剤があります。これらの製剤の違いは、主に純度やタンパク質の量、作用時間などにあります。日本で唯一厚生労働省の認可がおりているのはアラガン社製の「ボトックス」のみで、日本人における有効性や安全性が確立されています。
他にも、韓国食品医薬品安全庁(KFDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA)などの承認がおりているものであれば海外における安全性や有効性が認められています。
ボトックス注射を受ける際はそのクリニックがどのような薬剤を使っているのか、必ず確認するようにしましょう。
ボトックス注射の費用は?
ボトックス注射の費用は、注射部位や注射量、クリニックによって異なりますが、一般的には1回あたり数万円程度です。ボトックス注射は、美容目的で行う場合は自由診療となるため、保険適用外です。
相場よりも明らかに高い場合には技術料などが含まれていることがほとんどですが、相場よりも明らかに安い場合には別途技術料を請求される場合や不必要な施術までアップセールされる場合もあるので注意が必要です。
ボトックス注射を受ける前に知っておくべきことは?
ボトックス注射を受ける前には、以下のようなことを知っておくべきです。
目的や期待値を明確にする
– ボトックス注射は、上述したように表情じわや小顔などの美容効果を得ることができますが、万能ではありません。医師が勧めるメニュー以外の目的での使用は危険です。また、効果は一時的であり、完全にしわや筋肉が消えるわけではありません。そのため、自分の目的や期待値を明確にして、医師と相談することが大切です。
クリニックや医師を選ぶ
– ボトックス注射は、安全性や有効性が高い治療法ですが、注射量や技術によって副作用や失敗のリスクが変わります。そのため、信頼できるクリニックや医師を選ぶことが重要です。経験豊富な医師や情報発信をきちんとしている医師を選ぶと安心です。
注射前の準備をする
– ボトックス注射前には、以下のような準備をすることが必要です。
– 当日はアルコールの摂取を控える
– アレルギー歴や持病などを医師に伝える
– 質問や不安な点があれば医師に相談する
– 効果や副作用についてしっかりと医師から説明を受ける
まとめ
ボトックス注射は、ボツリヌストキシンというたんぱく質を用いて、表情じわや小顔などの美容効果を得る治療法です。効果は3~6ヶ月程度持続しますが、定期的に注射を受ける必要があります。副作用や失敗のリスクを避けるためには、目的や期待値を明確にし、信頼できるクリニックや医師を選び、注射前後のケアを行うことが大切です。ボトックス注射と上手に付き合って、若々しい表情を手に入れましょう。
